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テレビ

これじゃあマグロが・・・

 朝目覚めると一瞬田舎に帰ったかと思うほどの見慣れた風景。
雪景色 - しかも降り続いている。
若い頃はこれにどれだけ悩まされたことか・・・・。
しかしすでにそれが懐かしいと思うほど楽をしている自分がいるような気がしてならない。今年は新潟や秋田では大雪のために死者も多く出たという。若者がどんどん上京せざるをえない土地柄、残されるのは年老いた者たちばかりで 東京にいることが少しばかり心苦しい。

 一日中窓外を眺めながら、音楽や落語を聴いたり 掃除したり飯を作ったり 仕事の整理をしたりネットをみたり 普段ゆっくりやれないことをしてみる。TV番組などはニュース以外はまず見ないが、たまたま夕飯をとりながら流していた番組に気を取られ始める。
 『極寒の死闘!マグロに賭けた男たち4!!一本釣り漁師の勝負』という「どうしたの!」というぐらいの激しいタイトルのドキュメンタリーだ。因みにこの後の番組のタイトルは「混浴露天風呂連続殺人(25)角館~乳頭温泉~男鹿・愛欲殺人旅行!混浴外国人留学生秘湯めぐり」笑うしかない。そういえば昔、乳頭へ登った(文字にすると妙だな)ことがある。
 最高の本マグロといえば、北海道の戸井と青森の大間産。両町は津軽海峡を挟んだ北側と南側だが漁法が違うらしく、番組は大間の一本釣りを捉える。昔から伝わる古く厳しい漁法と漁師達の老いが語られるが、中で山本という52歳の 離婚して二人の息子を育てながら古い漁船に乗る男が出てきて これがちょっと悲しい。この3年間一本もマグロを釣り上げたことのない男で、長男は上京し次男と安い町営住宅で二人暮し。「他のみんなが導入している魚影をモニターに映し出すソナーを船に取り付けねばこれからはやっていけない」と細々と昆布漁で暮らしている年老いた両親に協力してもらいなんとか購入。しかし、自分の引込み思案な正確も自信の無さも手伝ってか あるいは運がないのか、いい漁場を確保できなかったり せっかく喰らいついたマグロを釣り糸が切れて逃がしてしまったりする。ソナーを使っての餌(イカ)を撒くタイミングもあやしい。どんどん落ち込んだり、焦ったりする様子が伝わってくる。こんなことを言っては失礼かもしれないが素人でも「もしかして下手なんじゃないの?」と思うほどじれったくなってくる。 ある時、偶然か必然か大きく映った魚影に遭遇し 餌を投げると巨大なマグロが喰いついて・・・・・、獲物と大格闘中に心臓病を抱えた68歳の老漁師が手助けに来るが、老いたといってもさすがにプロだ。52歳の山本はモリでトドメが刺せず、代わりに老漁師が彼の目の前で寸分の狂いもなく仕留めてやったあと 自分の船に乗って去って行った(先に去ったのは船着場に山本の両親を呼んで息子の手柄を見せてやろうという優しさからだった)。獲物を引いて戻る途中、山本は息を吹き返したマグロが暴れだし、危うく逃がしそうになる。それにしても3年間一本も釣れなかったというのに家に帰って息子と食べたお祝いのご馳走はコンビニで買ったパック入りのお寿司と缶ビールかよ・・・・オイオイ山本、あまりに哀しいぜ!! しかし丸々と肥えた息子と食べる山本(さん)はこのうえなく幸せそうだった。この番組を観た人たちも彼を憎めないと思うのか、たまたま 2ちゃんねる という投稿掲示板で番組を検索してみると、この山本さんにひとこと言いたい奴らが多くて笑ってしまった(もちろん、心無い人間達が後を絶たない掲示板ではあるけれど)。

 昔の漁師たちはソナーなど無かったことを思うと半端じゃなく過酷だったろうと思う。もっともマグロの量が激減している今とは状況が全く違っただろうけれど。 しかしあんなに大きなマグロを獲った山本さんはまたしばらくこの夢に取り付かれて生きていくしかないだろう。
ああいう死闘と苦労とを観てしまった以上、こちらもこれから回転寿司のマグロさえ簡単には喰い難い。なぜなら、マグロが一本釣り漁師たちと運命的に出くわすものなら、我々の口に入るのもそれ以上に運命的だからだ。とはいっても最高級マグロの味など養殖マグロとさほど区別がつけられないほどの我を思うとこれもまた笑うしかないのだが。
「混浴露天風呂連続殺人(26)津軽海峡~大間温泉・マグロの愛人に一本釣り漁師がトドメの一発!!」ってどうよ。

『群盗荒野を裂く』(DVD)・・・観た。



1月22日(日)01:21 | コメント(0) | テレビ | 管理


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